2020.11.22
ショパンの楽譜はどう選んだらいいの?③
Q.結局どのエディションを選んだらいいの?
A.原典版(Urtext)を全体的に見ることがオススメです✨
原典版とは…
校訂上の付け足しや変更をしないで、作曲家の意図を忠実に再現しようとした楽譜のことで、
原典版には
①エキエル版
②ペータース版(新校訂版)
③ヘンレ版(新校訂版)
の3種類あります。
①エキエル版
ピアニストのヤン・エキエルにより校訂。ポーランドの国家事業としてスタートし、ショパン生誕200年の2010年に全巻完結。ショパン国際ピアノコンクールで推奨されている楽譜。
②ペータース版
音楽学者のジャン=ジャック・エーゲルディンゲルなどにより校訂。
③ヘンレ版
旧版ユーワルド•ツィンマーマン校訂から近年リニューアル。新版はメーレマンにより校訂。
ツィンマーマンの旧版は参考資料が古いため、メーレマンの新版がオススメ。
○エキエル版とペータース版の違い
この2つは編集方針が異なり、
①エキエル版は、作品の全体性を優先し、
参考資料の楽譜によって違いがあった場合、違いを検討し、直筆譜から取ったり、初版から取ったりと取捨選択をしています。
それに対し、
②ペータース版は、資料の全体性を優先し、
直筆譜とそれ以外の初版などのバリエーションを、両方楽譜に記載しています。
楽譜の編集方針がどちらかを認識して使用することが大切です。ご自身が何を優先したいかによって選んでみてください。
原典版以外のエディションは良くない、ということではありません。
例えばコルトー版では、練習方法や曲の説明もあり参考になります。
原典版と並行して他のエディションも比較しながら、「ショパンはこう響かせたかったのかな?」と思いを馳せるのも、ピアノ演奏の楽しみのひとつではないでしょうか☺️
ご自身の耳と心にしっくりくる音楽をぜひ見つけてみて下さいね⭐️
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